以前、会社員が退職する理由について書きましたが、これはサラリーマンやOLだけでなく、パート勤務やアルバイトにも広く当てはまるひとつの法則みたいなものなんですよね・・・
先日、「パートを辞めたいけど人手不足で辞められなくて困っている」という友人と久しぶりに話をしました。(正確にいえば愚痴を聞かされただけなんだけど・・・)
私も過去に似たような経験はありますが、軽く引き止められる程度でパートやアルバイトを辞めるのにそこまで苦労したことはないんですけどね。
最近は人手不足もそれだけ深刻化しているということでしょうか?
とくに女性にとってはパートやアルバイトというのは正社員よりも気楽なもので、主婦の場合なんかは旦那さんの扶養の範囲内で空いた時間を使って働けるという認識をもった人が多いと思いますが、勤務先によってはそういうわけにもいかないようです。
そんな状況に直面した時、「できるだけ円満にパートを辞めるにはどうしたらいいか?」を考えていきたいと思います。
現在、パートやアルバイトを辞めたいと思っているけど、人手不足などを理由に辞めさせてもらえなかったり、辞め難い状況だったり、あるいは周囲にそういった人がいる場合はひとつ参考にしてみてください。
もくじ
パート・アルバイトは採用後1ヶ月以内に辞める人も多い?
先ほども書いた通り、パートやアルバイトは正社員に比べて気軽に働くことができます。
しかし、その反面すぐに辞める人も多いというのが現状ではないでしょうか?
情報の信憑性は別として、ネット上を検索するとパートやアルバイトの場合、採用されてから1ヶ月以内に辞める人は50%なんて話も出てきたりしますからね。
短期間で辞める人が多いということは、それだけ人手不足にもつながりやすいわけですよね・・・。
「辞めたい」といっても「今、辞められると困る」と返され、引き止められる背景にはそういった事情もあるのでしょう。
非正規雇用のアルバイトやパートを中心に回っている職場なんかは、とくにその傾向が強いのではないかなと・・・。
そう考えると、雇用主としてはパートやアルバイトとはいえ辞められると厳しいという言い分も理解はできますが、流動的な人材に依存しているのもまた問題ですよね?
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パートを辞める理由
パート勤務は女性にとって都合の良い働き方ではあるけれど、以前書いたように人間関係がイビツで独特のパワーバランスがあったりします↓↓
↑↑のような状況にうまく馴染めなくて辞めていく人も多いようですが、他にもパートを辞める理由はいくつかあります↓↓
- 人間関係(1ヶ月も働けばわかってくる)
- もっと良い条件の求人が見つかった(時給の良い仕事・融通のきく仕事など)
- 働いてみてその仕事が自分には合わないことがわかった(1週間も働けばわかる)
- 体調不良(想像以上にストレスの溜まる仕事だった)
冒頭で登場した私の友人がパートを辞めたいと思っている理由も、↑↑のいくつかに該当していました。
1ヶ月も働けば、仕事内容だけでなく人間関係も含め、いろいろとわかってくるものです。
とくに求人広告に「気楽に働ける職場です」みたいな文言が記載されていたりすると、「とりあえず少し働いてみて嫌だったら辞めればいいか~」みたいな認識の人が応募してくる確率も高くなるので仕方ない部分もあります。
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表向きの退職理由はまた別?
パートを辞める理由は先ほどあげた通りでも、勤務先に報告する際には表向きの退職理由を用意する場合が多いようです。
しかし、女性のパートに限ってはストレートに「◯◯さんが嫌い!あの人がいるなら辞めます!」という人もごく稀にいたりしますけどね(笑)
一般的によくあるパートを辞める理由はこんな感じですかね?↓↓
- 家庭の事情・家族の事情(旦那さんの急な転勤・引っ越し・親の介護など)
- 体調不良(持病の悪化・急病・治療に専念するため)
- 資格取得・勉強(目標達成に専念するため)
いずれも納得せざるを得ないというか、思わず同情してしまったり、応援したくなるような理由だったりします。
もちろん、本当に家庭や家族の事情や体調不良、資格取得の勉強のためにパートを辞める人もいます。
しかし、実際は人間関係や労働条件などに対して不満があるのに表向きは家庭の事情ということを理由にパートを辞める人もいたりするものです。
辞めると言って、引き止められた時に反論しやすい理由を用意しておくといった感じでしょうか?
会社員の退職理由も同様ですね↓↓
人間関係を破壊してパートを辞めるモンスター
先ほど女性に限っては、パートを辞める際に「◯◯さんが嫌い!あの人がいるなら私、辞める!」とストレートに言い放つ人も稀にいると書きましたが、もっと最悪なパターンもあったりします。
女性中心のパート先というのは独特のパワーバランスがあって、そこには正社員も踏み込めなかったりするわけなんですが、人間関係がギスギスし過ぎてくると何かと厄介なんですよね。
仕事とは何も関係ないようなくだらない理由で派閥ができて、派閥同士が対立すると当然、パートを辞める人も出てきます。
中には暴走して職場の人の悪口だったり、事実無根の誹謗中傷やあることないことを言いふらして辞めていく最悪な人もいたりするわけですよ。
本人は「どうせ辞めるんだから最後に言いたいことを言わせてもらう」って感じで開き直っていたりしますからね。
しかも、これって見えないところで言われてたりするので、誤解が誤解を呼んで人間関係が余計にギスギスしてしまうという・・・。
とくに女性ばかりの職場だと面倒ですね・・・
女性は感情的になりやすいので、扱う側もいろいろ大変です。
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人手不足だからパートを辞められない?
本当はパートを辞めたいけれど、人手不足だから辞められないという人は↓↓のいずれかに該当するでしょう。
- 勤務先に気を遣って辞め難い
- 引き止められるのが嫌で仕方なく辞めずにいる
↑どちらも根本にあるのは「本当は辞めたいけれど・・・」という気持ち。
勤務先に気を遣って辞めると言えないのは、一見、優しくて配慮のできる人に思えるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。
「辞めます」と切り出したあと、自分がどう思われるかを考えると不安だから言えない場合がほとんどではないでしょうか?
また、人手不足の大変な状況で自分が辞めたら周囲の人たちに迷惑がかかると思って、パートを辞められない人もいるようですが、人手不足は自分の責任ではありませんからね。
人手不足という事態を招いたのは、あくまで雇用主である会社側の責任です。
課題の分離がきちんとできていない人は、他者の都合に振り回され続けるので気をつけましょう。
ちなみに課題の分離については、アドラーの心理学について書かれた「嫌われる勇気」がわかりやすいですよ↓↓
つまり、きちんと就業規則を守って退職の意思を告げたのに「今、辞められると人手不足だから困る。辞めないで続けてほしい。」と引き止められるのは、おかしな話なんですね。
とくに日本人って、何か不都合があると情に訴えかけて思い留まらせるのが好きなようですが、実はこれって課題の分離から逃げているだけですからね。
しかし、最悪なのは情に訴えかけて「君が今、辞めると他の仲間全員が結果的に迷惑する」みたいなことを遠回しに言ってきて、罪悪感を抱くように仕向ける交渉の仕方だと思います。
先に「人手不足だから辞められると困る」と主張してきたのに、いつの間にか論点が「パートを辞めると今まで一緒にがんばってきた職場の仲間たちに迷惑をかけることになるけど、君はそれでも構わないの?もしそうだとしたら酷い人だよね?」にすり替えられているという・・・。
実はこの話、冒頭で登場した私の友人が現在、直面している問題なんですけどね。
私もこれまでパート経験はありますが、たしかにこういうやり方で引き止められると辞め難くもなりますよね?
退職を引き止められたら最終手段は正論で返す
先ほども書きましたが、人手不足でパートを辞められたら困るという理由で退職を引き止められた場合、たとえ情に訴えかけられたとしても毅然とした態度で正論を返すしかないかなと思います。
- 人手不足は雇い主側の課題
- こちらは就業規則を守って事前に退職の意思を伝えているという事実
- 労働基準法において労働者は2週間前の予告で退職可能とされていること
できれば円満にパートを辞めたいところですが、しつこく引き止められたら仕方ありません。
ただし、伝え方は気を遣った方が良いでしょう。
たとえば、ストレートに「人が足りないのはそっちに原因がありますよね?私の責任じゃないのに何言ってるんですか?」みたいに反論するよりは「今、人手不足で大変なのはわかりますよ。でも、それとこれとは別の問題ですよね?」といったソフトな言い回しの方が穏やかな話し合いができますからね。
それでも相手が引き下がらない場合は、徐々に就業規則や労働基準法を盾にこちらの正当性を主張すれば良いでしょう。
しかし、ここまでしないと辞めさせてくれないパートというのも大変ですよね・・・
どうしてもパートを辞めさせてくれない場合は?
就業規則にしたがってパートを辞めるという意思を告げたにもかかわらず、一向に辞めさせてくれない場合は、法律を盾に最終手段に出るしかありません。
先ほども簡単に触れましたが、労働基準法によれば労働者は2週間前の予告で退職可能とされています。
ただし、就業規則を確認して退職に関する規定があれば、まずはそちらに従う必要があります。
それらを引き合いに出して、パートを辞めるという意思表示をしてもダメな場合は埒が明かないので、都道府県の労働局に相談しましょう。
しかし、ここまでいってしまうとさすがに円満退職は難しいかもしれません。
なので、できれば話し合いでなんとかしたいものですよね?
もし「もう少しの間だけだったら、働いてもいいかな」という気持ちがあるなら、「わかりました。辞めるのは1週間延期します。その代わり猶予期間内に新しい人を採用してください。」と提案してみるのもありかもしれませんね。
期間のある雇用契約には注意が必要!
パートやアルバイトでも期間のある雇用契約を交わしている場合は、契約期間中の退職が原則として認められないこともあるので注意が必要です。
ただし、勤続年数が1年以上でしたら、正社員と同様にいつでも退職の申し入れが可能な場合もあります。
なので、就業規則にはきちんと目を通しておきましょう!
まとめ
友人の相談(愚痴)からネタを広げてみましたが、調べてみると実際に人手不足が理由でパートやアルバイトを辞められないという人も結構いるようです。
さすがにパートを辞めるのに最終手段を取らざるを得ない状況というのは、ごく稀なことだとは思いますが、最後に要点をまとめておきましょう。
- パートやアルバイトは気楽に働ける反面、1ヶ月以内に辞める人も多い
- パートを辞める主な理由は、人間関係・条件・仕事との相性・ストレス度
- パートを辞める表向きの理由は実情と違う
- 女性中心のパート先は独特のパワーバランスが存在する
- 女性は感情的で暴走するケースもある
- 人手不足は雇い主側の課題(課題の分離)
- 情に訴えかけて論点をすり替える交渉には注意!
- しつこく退職を引き止められたら感情ではなく正論で返す
- 話し合いでも埒が明かない場合は都道府県の労働局に相談
- 譲歩できる場合は猶予期間を与えて雇用主側が人手不足を克服できるように配慮
しかし、ここまでしないと辞められないパートって、ほとんどないとは思いますけどね・・・