以前も触れましたが、私は就職氷河期世代です。
最近では、政府が国をあげて就職氷河期世代に該当する30代半ば~40代半ばへの支援に力を入れる・・・なんてニュースが話題になったりしていますよね?
私の周囲にも当然、就職できないまま学校を卒業して非正規雇用を余儀なくされた人たちがいたりします。
また、なんとか就職できても給料は上がらず、その後も不安や生きづらさを抱えて生活している人も多く、職場の愚痴を聞くこともしばしばありました。
SNSを覗いてみると、就職氷河期の恨み節のような発言もポツポツと目に入ってきます。
真面目に生きていても報われないどころか、苦しい思いばかりしなければいけないなんて理不尽な話ですからね・・・
外野に軽々しく口出しされるとイラッとくるような氷河期世代にしかわからない心境というのもあるでしょう。
私も同世代ということもあり、そういった状況をリアルに見てきたわけですが、敷かれたレールの上を歩き続けるのは無理でした。
私の場合、一度レールを踏み外したら敗者復活戦は用意されていない世の中で、それでもなんとか生存できてはいますが、やはり氷河期を生き残るには誰かが決めたルールや常識に囚われず、変化に対応することが重要だと実感しています。
ということで、今回は一度社会のレールを踏み外した私が、就職氷河期について語ってみようかなと思います。
正直言って自分と同じ生き方は苦労が耐えないので、あまりオススメしたくはないですけどね・・・
まあ、ドロップアウトした就職氷河期世代の戯言だと思ってお読みください(笑)
もくじ
就職氷河期とはいつの時代?
就職氷河期といっても今では昔の話だったりするので、若い世代の人たちにはピンと来ない場合もあるでしょう。
一般的には↓に該当する世代のことを就職氷河期世代と呼ぶみたいです。
- 1990年代半ばから2000年代前半に社会人デビュー
- 2000年前後に大学を卒業
- 2019年(令和元年)現在40歳前後
簡単にいうとバブル崩壊の煽りを受けて、一気に就職難となった時代が就職氷河期です。
くわしくはwikiペディアをご参照ください↓
当時は私も就職せずに、とりあえず学費や生活費を稼ぐために始めた夜の仕事をそのまま続けることにしたのを覚えています。
周囲には就職できずに専門学校や大学を卒業して、そのままフリーターになる人たちも結構いました。
後にそれがアラフォークライシスとして問題視されるようになっていったという印象です。
真面目に就職活動をしていても、不採用の通知を目にするたびに心が折れそうになって、その後は自分に自信が持てなくなったという声も聞きます。
世間の「就職できない=負け組」という価値観も根強く、肩身の狭い思いをした人も多かったでしょう。
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40代だけピンポイントで給与が減っている?
2018年6月に内閣府が発表した「40代の平均賃金の動向」によると、20~59歳までの平均賃金は増加しているのに40代だけが減っているとのことです。
↑を見ると、40~44歳の正社員の平均賃金は6000円減、45~49歳は5000円減といった感じです。
就職難を乗り越えて正社員になっても、決して勝ち組ではなく、どういうわけか自分の世代だけピンポイントで収入が減っているという・・・。
この件については納得できない人も多いでしょう。
好きでこの世代に生まれてきたわけではないですからね。
なぜか私は、以前も当ブログで取り上げたNHKのクローズアップ現代のアラフォークライシス特集でタレントの壇蜜さんが言っていた「割を食う世代」という言葉を思い出しました。
本当に私たち氷河期世代は「切れ捨てられ見放された世代」なんでしょうか・・・?
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就職難からの非正規雇用!経済危機からの貧困?
就職氷河期世代にとって切実な問題といえば、なんといっても収入格差ではないでしょうか?
非正規雇用と正社員の収入格差はもちろん、先ほども触れたように正社員であっても給与は上がらないどころか、40代だけピンポイントで減っているというのが現実ですからね。
ただでさえ、苦しい状況なのに激務によって体調を崩したり、リストラで職をなくしたりすれば、そこそこ安定した生活ができていたとしても、経済危機に陥ってそのまま貧困生活に転落する危険だってあったりします。
以前も取り上げましたが、40代の新型貧困にはそういったパターンもあるでしょう。
私も夜の世界から足を洗って、その後は一応、一般企業に就職しましたが、いろいろあって退職に追い込まれ、うつ病を患ってからは貯金が目減りしていく日々が苦しかったですね・・・
そんな私も気づけば30代半ばになっていて再就職は難しい状況でした。
一度たりとも社会のレールから外れてしまうと、それを快く受け入れてくれる企業なんてほとんどないですからね。
結局、自分でなんとかするしかないということです。
就職氷河期世代は経済的な問題を解消すれば選択肢が広がる?
就職難の時代に学生時代から続けていた水商売の道を選んで、その後は一般企業に就職するも退職、うつ病を患って気づいたらいつの間にか30代半ばになっていて再就職も難しい状況に陥ったという輝かしい経歴の私ですが、それでもしぶとく生き残っています。(ちなみに離婚も経験・・・)
正社員が正義だとか、就職できない人間は負け組だとか、安定収入だとか、終身雇用だとか、そういった世間の常識的な価値観はとっくに捨てました。
就職氷河期世代の問題として取り上げられるのは、
- 収入が少ない
- キャリアアップできない
- スキルが育たない
といったところでしょうか?
たしかにキャリアアップとか、スキルの取得は難しいかも知れませんが、収入面においては正社員にならなくてもそれ以上に稼ぐことは可能だったりします。
もちろん、非正規雇用だけに収入を頼っていては難しいですけどね。
また、収入が増えれば、それだけ選択肢も広がるので、とりあえず収入を増やしてから自分にとって必要なスキルを得るために勉強するというのもありでしょう。
そのためには、いつまでも正社員にこだわるのではなく、働き方を変える必要があります。
氷河期世代の私が活路を見出した働き方
社会人経験も中途半端で気がついたら非正規雇用を余儀なくされていた私が活路を見出したのは、
- 自営業と非正規雇用のダブルワーク
- 経営者と労働者の2つの顔
- 自立した仲間同士のコラボレーション
- 職場と業務提携(ビジネスパートナー化)
という働き方です。
現在の私の主な収入源は、
- ライターとして企業が運営するメディアでの執筆
- 自分が運営するブログやサイトからの広告収入
- イラストレーター兼デザイナー、ディレクター、私(ライター)で共同運営しているWebメディアから分配される収益
- 業者間の仲介
- ゴーストライター的な仕事
といった感じで、最近はやってないですけど、たまに市場調査や営業活動も兼ねて単発のバイトなんかも考えています。
収入の柱は複数ありますが、いずれも関連性が強い事業です。
最初は、派遣の仕事で生活費を確保しつつ、副業というポジションで単価の安いWebライターからスタートしました。
いわゆるライスワークとライフワークですね↓
ライター業については、まだ夜の世界にいた頃、ちょっとしたコラムを書いたり、その後は雑誌のお仕事経験もあったので自分では大丈夫かなと思ったんですけど、そう簡単にはいきませんでしたね。最初は苦戦しました。
とりあえず、安い単価で仕事をこなしつつ、コツを掴んだら自分からアプローチして仕事を取るようになりました。
当時の話は、こちらの記事でも触れているので参考にしてみてください。
ちなみにこのブログを立ち上げたのは、ライターとして関わっている企業の方から「アリサさんってブログとかやってないんですか?」と言われて、「どうしてですか?」と聞き返すと「狙ったキーワードでちゃんと集客できているので、てっきり自分のブログでも稼いでいると思って・・・」という答えが返ってきたのがきっかけだったりします。
あとで聞いた話ですが、ノウハウを盗んでいるんじゃないかと警戒していたそうです(笑)
そんな彼も今ではビジネスパートナーとして一緒にサイトを運営している仲なんですけどね。
そうこうしているうちに自分の事業が育ってきて、いつの間にか派遣の仕事は辞めていました。
副業から複業への移行、つまりはパラレルワーカーといった感じでしょうか。
あと、このブログを交渉材料にライターの報酬を大幅にアップすることに成功したのもこの時期だったかな?
基本的に高単価の仕事は、ネット上には落ちて来ないので人からの紹介だったり、自分から取りにいって交渉する必要がありますからね。
その後は、先ほども触れたとおり、ライターとして関わっている会社の方やデザイナーさんと一緒に共同でサイトを運営するようになって、最近は「来年は法人化したほうがいいかも・・・」なんて話もチラホラ・・・。
昨今では、副業解禁や働き方改革といった話題も多いですが、それぞれが自分の事業を個人で回しつつ、コラボ感覚で一緒に働くというスタイルも面白いと思います。
そういえば先日、打ち合わせも兼ねて話をしていたら偶然、みんな就職氷河期世代だったことが判明しました。
そして全員、一度は社会のレールを踏み外した不適合者だったという・・・?
決して自らが望んでそうなったわけではなく、ドロップアウトして追い詰められた結果、自力で小さな事業を回して少しずつ収入を拡大していくしか方法がなかっただけの話なんですけどね。
夢も希望もない追い詰められた状態から仕方なく独立するしかなかったというのも、ネット上で騒がしいキラキラした起業家たちとは真逆だったりします。
もちろん、今の状態がいつまでも続くなんて思っていませんが、正社員を目指すよりも私にはこういった働き方のほうが性に合っていたのかも知れません。
この人たちとずっと一緒に働きたいというのがモチベーションの維持にもつながっています。
社会的に評価されないスキルやキャリアが役に立つ
これまでは主に収入にフォーカスして就職氷河期世代の働き方について書きましたが、
- キャリアアップできない
- スキルが育たない
といった問題も世の中では語られることが多いと思います。
私も例外なく、これといったキャリアもなく、何か特別なスキルを持っているわけではありません。
水商売なんてどんなに売上をあげても社会的には認められませんからね(笑)
しかし、あくまで社会的には認められないだけであって、水商売で覚えたことは営業職に就いてからも役に立ちましたし、実際に営業成績も良かったんですよね・・・
現在でも確実に自分の血肉となっています。
たとえば、夜の仕事で覚えた「同伴出勤でお客さまの可処分所得をリサーチしたら、決して無理をさせない範囲で最高のサービスを提供する」というノウハウは、短期間で登り詰める人たちの間で主流だった太客を捕まえて限界まで搾り取るやり方とは真逆ですが、長期的に考えるとLTVの最大化にもつながりますし、顧客満足度を高めることができます。
当時は、One to Oneマーケティングなんて言葉は知りませんでしたが、すでにそれっぽいことはやっていたんですね。
水商売でいう指名を増やして、お客さまと楽しい時間を共有することで何度も足を運んでもらうというのは、
- 集客
- 信頼構築
- セールス
の要素が不可欠で、収益を上げていく過程において重要です。
当時はダイレクトマーケティングなんて言葉は知りませんでしたが、どんな仕事にも役に立っています。
なんだか小難しい話ですみません?
決して社会的に認められることはなくても、自分がこれまで培ってきた知識や経験をどのように活かして、仕事を生み出していくかが本当に重要なスキルであり、そこから積み上げてきたものが自分の中で大切なキャリアではないかと思うわけです。
あと、周囲に社会的には評価されないけれど役に立つスキルを持っている人がいれば、それを活かして新たな仕事を生み出していくことも可能だったりします。
私自身は無能だけど、なんとかうまくいっているのは周囲に優秀な人たちがいてくれるからだと思っています。
優秀な人たちを引き寄せるポイントとしては、相手に花を持たせるという考え方が重要です。
そういえば、「自分が出しゃばるのではなく、相手に花を持たせる」という考え方を学んだのも夜の世界でしたね(笑)
就職氷河期世代として私が学んだこと
あらためて振り返ってみると私の人生は結果的に遠回りの連続でした。
人生の9割は失敗だったようにも思えます。
そんな私が就職氷河期世代として学んだことを最後にまとめておきますね。
- 時代の流れには逆らえない
- 一度レールを踏み外したら戻ろうとするほど苦しい現実
- 自分でなんとかしないと、誰も助けてはくれないし、何もしてくれない
- 社会はあてにならない
- 安定は幻想。そもそも人類は不安定。
- 捨てる覚悟も必要
- 絶望がデフォルト
- 夢を見るより戦略的なプラン
- 自力で経済力を高めれば選択肢は増える
- 同じ痛みを知る戦友こそ大切な仲間
- 思考停止したら終わる
- どこにも雇ってもらえないなら自分でやるしかない
- 定職に就けなくても生きてはいける
↑なんだか夢も希望もないって感じで、見ていてつらくなりますよね??
とくに私の場合、貧しい母子家庭で育ったこともあって、昔から現実をシビアに直視する傾向が強いので、ちょっと極端だったりします。
就職氷河期に恨みはないですが、世の中をどこか冷めた目で見てしまったり、物事をリスクとリターンで考えてしまったり、楽観視できなかったり・・・といった影響はあるかも知れないですね。
生き残るのは強い者ではない?
しかし、就職氷河期というネーミングはよくできているなと思います。
もしかしたら氷河期を乗り越えるのは、決してハイスペックな人ではなく、急激な変化に対応できる人なのかも知れません。
政府は国をあげて就職氷河期世代を支援していくとのことですが、今さら氷河期世代の正規雇用を目指すといわれても・・・って感じですね。
なんだか世間一般で言われている就職氷河期とは話がズレてしまった感も否めませんが、この時代に生まれたことが私の仕事観に影響を与えていることは事実です。
これから終身雇用や年金制度の維持が困難になって、巷で言われているようにAIが仕事を奪う時代が来たら、本当の意味で氷河期が訪れるかも知れませんね?
柔軟な発想で変化に対応できるかどうかは、今後ますます重要になってくるでしょう。